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「米帝国主義の姿をしっかりと見よ!」

「米帝国主義の姿をしっかりと見よ!」


1.
 軍産体制を中核とする米国の帝国主義政治体制は、常に敵を必要とし、その必要性に応じて敵を作り出してきた。

 冷戦後の主敵をテロ集団またはテロ支援国家とし、それまでの国家対象から集団・個人にまで広げ、恣意的に「敵」を作り出し、指定している。

 その一方で、古典的な敵概念の「国家」も対象としている。

 そのアジア地域における国家対象の主敵が朝鮮と中国である。

 米国は、朝鮮戦争後の平和協定交渉締結に今日まで応じず、朝鮮を敵国とし、朝鮮に対する敵視政策を続けることで、朝鮮半島およびアジア地域に軍事的緊張を作り出している。

 第2次世界大戦直後から朝鮮半島に直接関与し、朝鮮の南北分断の固定化、朝鮮戦争を仕掛け、以後、社会主義朝鮮の体制転換または崩壊のための各種制裁、国連を活用した圧力、核攻撃を想定した大規模軍事演習を続けている。

 オバマ政権になって以降、朝鮮に対する政治的、経済的、軍事的圧力は特に厳しくなり、国際的孤立化と戦争誘引を仕掛けている。

 朝鮮がそのような米国の「暴力」に対して、体制と人民たちを守るために核保有を宣言し、核実験とミサイル発射実験を行った。

 それに対して米国は、朝鮮が核実験やミサイル発射を行う度、国際社会への「挑戦」とか、「暴挙」、「脅威」などとするレッテルを貼り、国連安保理での制裁決議を多用している。

 朝鮮に対する「挑戦」「脅威」のレッテル貼りは、それでないと安保理での決議ができないことと、社会主義朝鮮の国際社会の「孤児」を演出するためであった。

 すべてが朝鮮の体制転換または崩壊を狙った演出であった。

 70年余、米国発信の朝鮮に対するプロパガンダ情報に晒されてきた西側の人間たちは、米国が作り上げた「朝鮮悪魔」説を信じ、それが定着してしまっている。

 だから、米国の朝鮮停戦協定違反や各種国際法違反を見抜けず、私のこの原稿内容さえ容易には信じられないだろう。

 朝鮮半島の平和と安定、朝鮮半島の南北分断、朝鮮の経済発展などを阻害している根本原因こそ、米軍の南朝鮮駐留であり、対朝鮮敵視政策であり、核恫喝政策である。

 核やミサイル問題を含む朝鮮半島危機と不安のすべては、米国の反朝鮮政策から発せられている。


2.
 米国の対中国政策、情報についても、朝鮮の場合と同じことが言える。

 米中とも経済関係では、相手を必要とするほどに抜き差しならない状態となっている。

 とはいえ、決して友好的な関係ではない。

 現在、南シナ海と東シナ海での領海・領有問題で対立している発端は、米国がアジア太平洋地域のリバランスを主張してからである。

 昨年、ワシントンでの米中首脳会談で、中国の習近平主席が、「太平洋は広く、十分に共有できる」と提案したのに対して、オバマ大統領は肯定しなかった。

 太平洋は米国の海だと考えていたからである。

 中国側は反発し、岩礁を埋め立て、9段線を実行した。

 それを見越した米国は、フィリピン政権を立てて、国際仲裁裁判所での領海裁判を起こした。

 その判決内容があらかじめ分かっていての、国際裁判である。

 では米国は何を狙ったのだろうか。

 それは、中国が国際法違反をしているとのキャンペーンを、仲裁裁判所の判決を利用して国際的に広め、中国を国際的に孤立させ、太平洋地域での独占権、有利な位置を築くためであった。

 同時期、朝鮮のミサイル発射実験を理由に、南朝鮮への地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛ミサイル(サード)」配備を決定したことと、在韓米軍の主要部隊をソウルからピョンテク近郊に移動させたことも、すべてが対中国戦略のためであった。

 米中の南シナ海・東シナ海紛争は、米国が仕掛けたものであった。

 さらに米国は、ロシアとクリミア問題で対立している。

 クリミア問題について、米国は、ロシアが一方的に自国領土に併合しようとしたからだとのキャンペーンを展開している。

 ロシアがクリミアに親ロシア政権を樹立しようとしたのは、米国が推し進めているNATO軍の東欧進出、クリミアへのミサイル防衛建設推進化を阻止するためであった。

 米国はそのことを隠して、ロシアのクリミア政権への関与だけを喧伝している。

 以上、中国とロシアとの事例でもわかるように、米国の覇権主義は、利用価値がある分野では接近しつつも、自国が不利な分野では対立構図を作り上げ、国際社会(西側)で、プロパガンダ情報を流している。

 ところで、朝鮮の場合はもっと酷い。71年間、敵視政策を続け、社会主義朝鮮を崩壊させようとしているのだから、様々に作り上げる工作や朝鮮情報は、朝鮮の真実を語っていない。

 今後は、これらの点に注視して米国発信の対朝鮮情報を読んでもらいたい。

                                                                    2016年8月6日 記

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Author:takasi1936
愛媛現代朝鮮問題研究所のブログです。

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