「安保理常任理事国入り、日本にその資格はない」
「安保理常任理事国入り、日本にその資格はない」
ブータンのトブゲイ首相が公式来日し、安倍晋三首相と6月30日、首相官邸で会談した。
ブータン首相の公式来日は、1986年の国交樹立以来初めてだという。
安倍首相は会談で、同国に農業、インフラ分野を中心とした支援を継続していく考えを伝えた。それに対してトブゲイ首相は、日本が目指している国連安全保障理事会の常任理事国入りを支持する考えを表明した。
高額支援への返礼だろうか。
ブータンは、心の充実感を中心とする「国民総幸福量」(GNH)を追求している。
GNHは文化や環境を保護しながら、社会経済発展を目指す方式であり、経済発展・物質中心主義の資本主義(GDP)的生活スタイルとは違っている。
GNHの理念は、地球環境問題を個人生活の充実とのバランスを、ほど良く考えようとしているもので、環境問題や平和運動をしている人々から注目されている。
しかし、ブータン一国では、どうしてもGDP群に包囲され、侵食されて、国内経済に様々な障害が生じているのも事実である。
だからGNH理念を世界に広めるため、その国際会議を、来年ブータン国内で開催するという。
いいことだ。成果を期待している。
だが、安倍政権に国連安保理の常任理事国入りの支持を伝えたことは疑問に思う。
日本は、サンフランシスコ講和条約と米国のアジア戦略とによって、かつての戦争責任問題をあいまいに処理し、または放置してきた。
その結果、植民地主義観、侵略主義観を清算できないまま、安倍政権に至って、集団的自衛権の行使を容認するに至った。
いつでも戦争が出来る国になったのだから、特に、かつて日本軍に侵攻されたアジア各国は、不快感、恐怖感を強く抱いている。
ブータンとて、知らぬはずはない。日本には、安保理常任理事国入りの資格はないということを。
例え外交儀礼的であったとしても、常任理事国入りは二度と要請してほしくはない。
すでに、日本は、常任理事国入りと経済支援とのセット外交を、主にアフリカ、アジア、中南米各国に展開している。
常任理事国のイスを金で買っているとの批判があるが、これ以上の上塗りはしてほしくないものだ。
2014年7月1日 記
ブータンのトブゲイ首相が公式来日し、安倍晋三首相と6月30日、首相官邸で会談した。
ブータン首相の公式来日は、1986年の国交樹立以来初めてだという。
安倍首相は会談で、同国に農業、インフラ分野を中心とした支援を継続していく考えを伝えた。それに対してトブゲイ首相は、日本が目指している国連安全保障理事会の常任理事国入りを支持する考えを表明した。
高額支援への返礼だろうか。
ブータンは、心の充実感を中心とする「国民総幸福量」(GNH)を追求している。
GNHは文化や環境を保護しながら、社会経済発展を目指す方式であり、経済発展・物質中心主義の資本主義(GDP)的生活スタイルとは違っている。
GNHの理念は、地球環境問題を個人生活の充実とのバランスを、ほど良く考えようとしているもので、環境問題や平和運動をしている人々から注目されている。
しかし、ブータン一国では、どうしてもGDP群に包囲され、侵食されて、国内経済に様々な障害が生じているのも事実である。
だからGNH理念を世界に広めるため、その国際会議を、来年ブータン国内で開催するという。
いいことだ。成果を期待している。
だが、安倍政権に国連安保理の常任理事国入りの支持を伝えたことは疑問に思う。
日本は、サンフランシスコ講和条約と米国のアジア戦略とによって、かつての戦争責任問題をあいまいに処理し、または放置してきた。
その結果、植民地主義観、侵略主義観を清算できないまま、安倍政権に至って、集団的自衛権の行使を容認するに至った。
いつでも戦争が出来る国になったのだから、特に、かつて日本軍に侵攻されたアジア各国は、不快感、恐怖感を強く抱いている。
ブータンとて、知らぬはずはない。日本には、安保理常任理事国入りの資格はないということを。
例え外交儀礼的であったとしても、常任理事国入りは二度と要請してほしくはない。
すでに、日本は、常任理事国入りと経済支援とのセット外交を、主にアフリカ、アジア、中南米各国に展開している。
常任理事国のイスを金で買っているとの批判があるが、これ以上の上塗りはしてほしくないものだ。
2014年7月1日 記