fc2ブログ

「米国は、朝鮮半島危機の犯人」

「米国は、朝鮮半島危機の犯人」


 米韓合同軍事演習「ウルチフリーダムオブガーディアン」を8月22日から強行している米国。

 同演習は、共和国への先制攻撃と体制崩壊を狙う作戦計画に基づいて実施しているため、朝鮮半島の緊張を極度に高め、戦争前夜の状況を作り出している。

 南朝鮮の各市民団体は、「合同軍事演習は、朝鮮半島の核問題には全く役に立たない、かえって危機を煽っている」と反対し、軍事演習の中止と、朝鮮半島の非核化、平和協定締結のための対話を行うべきだと米韓両政府に要求している。

 彼らの主張は、朝鮮半島危機を作り出している犯人は、他でもない米国自身だと言っている。

 その米国は、共和国の潜水艦発射弾道ミサイルの発射(24日)に対して、国連安保理の緊急非公開の会合を開き、日韓両国を引き入れて、共和国非難の声明を出すことを目指して動いている。

 共和国の防衛のためのたった1発のミサイル発射実験が、国際社会への「脅威」になり、「挑発」だと言うなら、米軍が主導して実施している米韓合同軍事演習や南朝鮮の「サード」配備は、朝鮮半島を戦争へと導いている極悪の行為である。

 朝鮮人民の幸福権を奪っている米国こそ、安保理での非難または制裁決議の対象である。

 世論よ、米国の帝国言語に惑わされるな!


                                                                  2016年8月27日 記
スポンサーサイト



「テロ等準備罪に反対」

「テロ等準備罪に反対」

 安倍政権がまた、軍事国家へと歩みだそうとしている。

 小泉政権時代に3回(03、04、05年)にわたって国会に提出し、廃案となった「共謀罪」を、姿をかえて「テロ等組織犯罪準備罪」として、9月の臨時国会に提出しようとしているからだ。

 共謀罪は、重大な犯罪を実際に実行に移す前に相談しただけで罪するもので、捜査当局側の拡大解釈や恣意的な判断で、いつでも、時の政権にとって気に入らない市民団体等の個人を処罰対象にできる。

 平和に暮らしてたいと願う私たちにとって、実に危険な法案で、当時は反対声明を出したりなどの行動を行った。

 今回の政府案は、「組織的犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」(テロ等組織犯罪準備罪)と名称を変え、「テロ」対策を強調している。

 小泉政権時代に共謀罪の新設が出てきた背景には、00年に国連総会で採択された「国際組織犯罪防止条約」がある。

 条約を締結するには共謀罪を含む国内法の整備が必要であった。

 条約に署名した日本は03年から3カ年、「共謀罪」の国会承認を求めたが、批判が強く廃案となり、条約の締結は行っていない。

 すでに締結しているのは187カ国(16年6月現在)あり、G8で締結していないのは日本だけのため、米国からの強い要請もあり、名称と中身を変えてでも、安倍政権時に成立させようとしているのだろう。

 政府側は、4年後の東京五輪・パラリンピックを控え、世界で相次ぐテロ対策の一環だとしている。

 だが、この法案が成立することによって、米国が始めた「テロ戦争」に、日本も本格的に巻き込まれていくことになる。かえって危険は状況を作り出していくのではないか。

 また、これは、軍事体制を維持するために、(テロ)「準備行為」「治安警察法」で罪なき国民の民主的権利を奪っていた法の再来を思わせる。

 現行の法制度でも、対応が十分に可能にも関わらず、新たな「悪法」を成立させようとしていることに疑問を感じる。

 「テロ等準備罪」には反対する。

                                                                  2016年8月27日 記

「自衛隊が『軍隊』となる」

「自衛隊が『軍隊』となる」

 稲田朋美防衛相は24日、安全保障関連法に基づく新任務の訓練に着手することを表明した。

 国連平和維持活動(PKO)として、南スーダンに11月から派遣する陸上自衛隊の交代部隊による新任務(駆け付け警護)訓練が9月中旬頃から、本格的に始まるのだ。

 「駆け付け警護」は、離れた場所で襲撃を受けたPKO関係者(他国軍)らの救援に向かうのだが、状況によっては武器使用も認められる。

 その最初の任務が、11月に派遣する交代部隊となり、自衛隊の活動が新たな、より「軍隊的」性格を帯びた段階に入ったことを示している。

 交代部隊には、各国部隊が集まる宿営地の共同警備に加わる「宿営地の共同防衛」も想定されていることから、民間人を誤射したり、本格的な戦闘に発展したりすることもあり得る。

 昨年の安保関連法の国会審議中、「自衛隊で犠牲者が最初に出るとしたらPKO」だと指摘する政府関係者もいたと言う。

 それでも安倍政権は、安保関連法の本格運用を通じ、日米同盟の実質強化につなげるため、自衛隊の「軍隊化」を進めていこうとしている。(米国へのおもねりも含めて)

 ①防衛省は10月に米グアム周辺で実施する日米共同総合演習「キーンソード」で、有事の際の米艦防衛などの集団的自衛権の行使を検討

 ②さらに日米同盟強化策として、近く、安保関連法に基づいて日米物品役務相互提供協定を改定し、日米が融通する物資の対象を拡大する予定。

 ③日米の調整を終え、平時の米艦防護への訓練を計画

 以上でもわかる通り、安保関連法が現実に動き始めている。

 安倍政権へのさらなる追及が必要である。

                                                                  2016年8月25日 記

「8月15日のメモワール」

「8月15日のメモワール」


1.「全国戦没者追悼式」での首相のことば

 8月15日。政府主催の「全国戦没者追悼式」が日本武道館で開かれた。

 式典には、遺族4887人を含む6052人が参列。

 安倍晋三首相は式辞で「我が国は戦後一貫して戦争を憎み、平和を重んじる国として孜々として歩んでまいりました」、「歴史と謙虚に向き合い、世界の平和と繁栄に貢献し、万人が心豊かに暮らせる世の中の実現に全力を尽くしてまいります」と述べた。

 93年に細川護煕首相が、アジア諸国への加害について、「哀悼の意」を表明して以来、その後の歴代首相も、加害責任について言及してきた。

 安倍政権となって、そのアジア諸国への加害責任の言葉が消えている。

 確かに、式典名は「全国戦没者追悼」となっており、参列している大半の者が全国から選ばれた戦没者遺家族の人たちである。

 そのため安倍政権は、遺族中心の式典であると解釈し、「アジア諸国への謝罪はなじまない」としている。

 いかにも内向きな思考である。

 どうして戦没者や遺族たちが生じたのかを、日本が起こした戦争結果の「惨禍」であったこととは結び付けず、安易に「不戦」「平和」という耳障りの良い言葉を並べている。

戦争の惨禍は、アジア諸国の人々に及んでいる。その責任は日本にある。

 日本は、その戦争責任の追及、加害責任をしっかりと果たすことで、はじめてアジア諸国の人々に、平和で安全な姿を伝えることができるのだ。

 ところが、安倍政権は、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案(戦争法案)を成立させ、日米安保を強化して、日本をいつでも戦争ができる国へと導いている。

 新たな戦争への道を進もうとする安倍氏の口から、「戦争の憎しみ」「平和を重んじ」「歴史と謙虚に向き合い」「世界の平和と繁栄に貢献し」などと、美しい言葉が並ぶ作文が読まれても、現実政治との落差に、彼の言葉など信じることができない。

 帝国主義者の二面性を感じる。


2.閣僚の靖国神社参拝

 毎年、8月15日前後には、数人の閣僚たちが靖国神社を参拝している。

 今年は、高市早苗総務相と丸川珠代五輪担当相の2人。安倍晋三首相は代理人を通じて玉串料を奉納し、自民党総裁、安倍晋三と記帳しているから、代参である。山本有二農林水産相は6日に参拝を済ませている。

 代参の安倍首相、事前の山本農林水産相を含めて4閣僚の参拝は、例年に比べて少ない。

 中国および朝鮮への対抗から米国が進めている日米韓3カ国協調体制強化の関係で、米国からの圧力があった結果であろう。

 高市氏は参拝後、記者団に「国策に殉じた方々への尊崇の念を持って、感謝の誠をささげた」と語り、丸川氏は「かけがいのない命をささげた皆様に感謝の気持ちでお祈りした」とコメントした。

 こうした風景やコメント内容は、例年通りで定着している。

 8月15日や春秋例大祭に靖国神社を参拝する閣僚たちの大半は、保守団体に属していて、それぞれの団体の役員になっている。

 「国策に殉じた方々」「かけがえのない命をささげた方々」に対して、「尊崇の念」「感謝の気持ち」で、参拝をしたと記者団に語ることで、自らが所属する団体の理念を語り、自らの行動をしっかりとアピールする場として利用しているように思える。

 彼らの言動に、日本の過去の歴史を直視しない言葉に、反吐が出る思いがする。

 マスメディア各社は、こうした保守系閣僚や議員たちの宣伝戦に利用されていることを自覚し、彼らの誤った歴史認識を正し、靖国神社と戦争との関係を、もっとしっかりと伝えてほしい。


3.各地の戦没者追悼式の風景

 8月15日は全国各地でも、戦没者追悼式典が行われる。

 主として空襲被害などの、戦争被害者とその遺族たちへの鎮塊の場となっている。

 そこで語られる遺族代表たちの言葉もまた、「忌わしい歴史を繰り返さない」「家族を亡くす戦争は悲しい」「平和を守ってほしい」などと、戦争被害者としての痛切な心情が表現されている。

 被害を受けた者の心身の痛みを伝え、そのような痛みをだれ一人経験しないで平和に暮らせる世界こそ、素晴らしいと語っている。

 そのことに誰も反論はしない。

 だが、それらの言葉の中に欠けているものがある。

 戦争へと至る道を開いた指導者、戦争を指導した責任者、その戦争を支えてきた社会と人々の責任を問題にせず、被害者感情と心理だけを述べていることである。

 だから、そのような「追悼式」を行政側が主催し、繰り返し行うことで、戦争の加害側面を忘れさせる役割を果たしている。

 被害と加害の関係は両面である。

 日本の場合、明治体制以降のすべての戦争は、自衛ではなく侵略であった。

 先の大戦の、侵略性を忘れさせるために、日本各地で「戦没者追悼式」が実施されているようだ。

 そうした式典を継続することによって、歴史解釈をゆがめて、犠牲者を再び出さないためにと、国防力を強め、次の戦争を準備してきた。

 安全保障関連法案を成立させてしまったことが、どの「戦没者追悼式」でも語られなかったのは、大きな痛恨事である。


4.靖国神社を支える保守系団体

 毎年、8月15日の靖国神社では、「日本会議」や「英霊にこたえる会」などの保守系団体主催の「戦没者追悼集会」が開かれている。

 安倍晋三首相をはじめ、現政権のほとんどの閣僚が、複数の保守系団体の役員をしており、この集会にも参加している。

 今年は、7月の参院選で国会の改憲勢力が3分の2以上となったこともあってか、「憲法改正の早期実現を中心とした諸課題に取り組み、強くて美しい国の再生を目指す国民運動を一層力強く展開する」との声明文を読み上げた。

 草の根レベルの改憲論運動の浸透に期待している安倍首相は、こうした保守系団体の動きを重視している。

 一方の保守系団体は、一強となった安倍政権の改憲発動を期待している。その結節点となっているのが靖国神社である。

 8月15日の「戦没者追悼式」が、改憲運動へのスタートとなったようだ。

 憲法は今、瀬戸際にあり、危機的な現状を醸している。


5.米政府の核先制不使用検討に反対した安倍首相

 8月15日の米紙ワシントン・ポストは、オバマ政権が検討している核兵器の先制不使用政策について、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」として、反対の意向を直接伝達(7月26日)していたと、複数の米当局者の話として報じた。

 同紙は、同様に米国の「核の傘」にある韓国や、英国、フランスなども政策転換に反対していると伝えている。

 核先制不使用は、敵の核攻撃がない限り、先に核兵器を使用しないとする政策で、米国の核政策を大きく転換するものである。

 7月中旬に開かれた米国安全保障会議(米紙ウォールストリート・ジャーナル伝)で、ケリー国務長官、カーター国防長官、モニツ・エネルギー長官などが先制不使用に反対を表明したとしている。

 日本は、「非核三原則」があり、米国の「核の傘」に依存している。

 報道が事実であれば、唯一の被爆国として核廃絶を訴えてきたにも関わらず、核兵器の役割を低減する米国の政策に、日本の首相として明確に反対したことになり、「被爆地」や「被爆者」の思いを裏切る行為である。

 また、現在進行しつつある世界の非核化の流れとも逆行していることになる。

 官邸筋は「核兵器廃絶は一足飛びには実現できず、慎重に進めなければならない」と、政策変更には賛同しない立場を説明している。

 口先では核兵器廃絶を訴え、実際の行動はそれとは反している安倍氏の言節を、誰も信用しないだろう。

 「核なき世界」の実現は、核先制不使用や核実験禁止ではなく、核兵器の全廃が必要である。

 人類は、核恫喝政策や核抑止政策、核の傘政策から卒業する時期に来ている。


6.従軍慰安婦問題の「問題」

 旧日本軍の従軍慰安婦問題で、日本側が韓国に近く拠出する10億円について、昨年12月の日韓合意の際、岸田文雄外相は、「『日本政府の責任や謝罪、反省』を実質的に裏付ける履行措置」だと表明した。

 この発言を、元慰安婦らへの支援事業を行う「和解・癒し財団」側は、事実上の賠償の性格だと感じている。

 ところが、韓国外務省報道官は16日の記者会見で、韓国メディアの「賠償金と理解していいのか」との質問に、何も答えなかった。

 一方の日本は、「賠償ではない」との立場を取っている。

 だから、16日の報道官は、日本との摩擦を避け、解釈の違いを曖昧にしようとしたようだ。

 韓国政権内の苦しい事情を反映した態度だったとはいえ、日本側の態度変更にも責任がある。

 本来なら、日本が慰安婦たちに対して直接謝罪し、拠出金の内容説明から始めるべきものであった。

 65年の「日韓基本条約」以降、韓国と接する日本には、どこかに(戦前の)支配者的意識が感じられる。

 日韓双方とも、解釈を異にしたままで、「和解・癒し財団」を発出させようとしていることに、不安を感じる。

 安倍政権の強硬策が、行く末を不安定にしている。


7.朴槿恵政権の正体

 共和国政府、政党、団体連帯会議は、6月下旬、祖国解放71周年を契機に全民族的な統一大会を、8月15日に開催することと関連した内容を、南朝鮮の政権当局、政党、団体と個別人士たちに送った。

 同時に、朝鮮職業総同盟中央委員会などが、8月15日を契機にソウルで北南労働者統一サッカー大会の開催についても呼びかけていた。

 サッカー大会を通じて南北の対決状態を解消し、民族の和解と団結に向けた重要な契機とすることを願っての、それぞれの提案であった。

 にも関わらず朴槿恵政権は提案を無視し、8・15ソウル民族共同行事と南北労働者統一サッカー大会開催を、ともに不許可にしてしまった。

 その朴槿恵大統領は15日の光復節演説で、日本との関係を「歴史を直視する中で、未来志向の関係を新たに作っていかなければならない」と、未来志向を強調した。

 一方、共和国との南北関係については、北の核・ミサイル開発を批判し、安保理制裁の履行を強調して、米国の反朝鮮政策に迎合した。

 朴政権は完全に日米の代弁者となってしまっている。彼女が朝鮮民族だと自覚するなら、米政権の代弁を続けるのではなく、南北対話と交流、出会いの場を復元するためにこそ、積極的になるべきだろう。

 ただ、このような朴政権の姿勢に抗して、「共に民主党」など野党と民主団体などが、「南側準備委員会」結成を通じて、全民族的な共同準備機構を立ち上げる方向で動き出している。

これは、南北交流と協力に向けた希望の芽であると言えるだろう。


                                                                 2016年8月17日 記 

「80歳の誕生日を迎えた」

「80歳の誕生日を迎えた」


 今日(8月24日)、80歳の誕生日を迎えることができた。

 2年前に、膵臓癌だと宣告されて、2回の大手術と抗癌剤治療の結果、今年7月の初めには、癌は消えたと伝えられた。

 しかし、抗癌剤の後遺症がまだ続き、食欲不振と味覚障害が大きく、体力はまだ戻っていない。

 手術の際、希望してわずかに残してもらった膵臓からインシュリンが出ているため、膵臓の機能は何とか保たれている。ただ、幾つもの内臓を切りつないでいるため、それが体になじんでいないためか、時折、身体への痛みがある。

 ただ、最初の手術の際、80歳を越えることを願っていた。現在の日本人男性の余命が平均82歳であることを考えれば、ささやかな願いであったものの、癌との戦いに関する1つのハードルとしていた。今、その小さなハードルを越えたことに、素直に喜びを感じている。

 マンション6階の、私の部屋から見える石鎚山の山並みと陵線が、今朝はいつもよりはっきりと見えている。

 それに、先ほどのニュースで、共和国が潜水艦ミサイルを発射したことを伝えている。これもうれしい。

 共和国のミサイル発射は、8月22日から始まった米韓合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」への抗議である。だが、今の私には、私が80歳を迎えることができたことに対する共和国からの祝砲にすら感じられる。

 私に残された人生は長くはない。

 それを自覚しつつ、現代の反帝戦士の一人として、最後までペンを捨てず、自らのペンで米帝をはじめとする世界の帝国主義の悪行を暴いていくことを、改めて決意している。


                                                                  2016年8月24日 記

「THAAD配備は、東北アジアの核戦争を誘発する」

「THAAD配備は、東北アジアの核戦争を誘発する」

 米韓両国は、高高度ミサイル防衛システム(THAAD、サード)を、慶尚北道星州郡に配備することを早々に決定し、来年末までには実動させることを決定した。

 朴槿恵政権はサード配備について、「北の脅威に対応して、国民の生命を守るために必要だ」「北以外の他の第3国を狙ったものではない」などと、内外に向かって強弁(弁明)している。

 サードの性能は、朝鮮半島北部をはるかに越えて、中国とロシアの領土が射程に入っている。

 従ってサードを南朝鮮に配備する米軍の真の狙いは、共和国、中国、ロシアを攻撃射程に入れ、東北アジアの米軍の戦力を飛躍的に増強することである。

 サード配備はまさに、朝鮮半島を含むアジア地域に覇権を打ち立てようとする米国戦略の一環であり、その具体化であるのだ。

 中ロ両国は当然、自国の安全保障が大きく脅かされるとして、配備決定の撤回を強く要求するとともに、米韓の稚拙な行為を批判している。

 一方、朝鮮中央通信社は7月27日の論評で、「南朝鮮を米国のアジア太平洋支配戦略実現の最前線基地、核前哨基地として委ねたTHAAD配備決定によって、朝鮮半島と東北アジア地域に新たな冷戦の危険性が日を追って増大し、米国と周辺諸国との間の神経戦と対立がますます激しくなっている」と、米国を批判している。

 サードの南朝鮮配備は、朝鮮半島周辺各国の核軍拡を誘発し、東北アジア全域に核戦争の危機を、さらに高めていくことになるだろう。平和を望む国際世論に、全く逆行する行為だ。

 さらに、有事の際は、サードを配備している南朝鮮は前哨基地とみなされ、敵国から真っ先に攻撃を受けることになる。

 ところが、サードの指揮と操作は米軍が全的に握っているため、サードが敵のミサイル攻撃から守護しようとしているのは、南朝鮮を含むアジア地域に展開する米軍基地と、そこに駐屯する米軍兵士たちであって、南朝鮮人民の犠牲などまったく考慮されていない。米国は、サード配備によって、新たなアジア地域の覇権を企図しているのだ。

 サードのレーダーから発せられる高周波電磁波は、地域住民の人体や健康などに深刻な被害をもたらすため、星州地域の住民たちを中心に、野党や多くの民主人士たちが連日、サードの星州配備反対から、朝鮮半島配備反対、絶対反対へと、運動を展開している。

 南朝鮮にとって、むしろ害以外の何ものでもないサード配備を、朴槿恵政権は何故に受け入れてしまったのだろうか。

 朴政権内では、親朴派と非朴派の対立に加え、親朴派と大統領府の政務秘書官らの収賄罪、4月の総選挙の介入など、スキャンダラスな事件が多発していて、政権のレームダック(死に体)化が加速している。

そのレームダック朴政権を唯一支えているのが米国である。

 従米体質となっている朴政権は、これまでも米国の無理な要求を受け入れ、北の制裁にも積極協力してきた。

 そのような朴槿恵政権の任期内に、サード配備を完了しておきたいと、米国が考えていても不思議ではない。

 政権内での抵抗が少なくて済むだろうとの米国の計算から、配備決定を急いだ背景があるのだろう。

 朝鮮半島を含むアジア地域を不安定化させ、危機を作り出しているのは米国だ。

 米韓両政権に対して、アジア地域の核戦争を誘発するサード配備決定を、即刻撤回することを要求する。

                                                                   2016年8月19日 記

「南朝鮮でサード配備反対運動」

「南朝鮮でサード配備反対運動」


 高高度ミサイル防衛システム(THAAD、サード)の配備が慶尚北道の星州に決定(強行的に)したことで、星州住民らが7月26日以降、波状的に抗議活動を行っている。

 住民たちは、セヌリ党指導部に対して、サード配備に反対するパフォーマンスとして、街頭で「セヌリ党葬儀」を行い、喪服を着て、棺を担いで、「平和な星州にサードを配備するとは、・・・離れた、離れた、星州の民意は離れたよ」と歌い、街を行進した。

 さらに、「私たちの中で朴槿恵は死んだ」「サードの代案を出してみろ、朴槿恵弾劾が代案だ」「裏切りの象徴『ケヌリ党(ケは犬の意味でケをセにかけた)』」などの横断幕を掲げて、怒りの意思を表した。

 また、「戦争反対平和実現国民運動」などの団体は、サードの配備は「朝鮮半島の軍事的危機を回避する現実的な方策ではない」として、米国に朝鮮戦争の平和協定締結を求める運動を展開している。

                                                                   2016年8月10日 記

「朝米対話への、米国からのシグナルはあるだろう」

「朝米対話への、米国からのシグナルはあるだろう」


 米国では現在、11月8日の大統領選挙に向かって、民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏が、熾烈な戦いを繰り広げている。

 クリントン氏が、既得権益層(富裕層)を代表しているとすれば、一方のトランプ氏は低所得労働者層を代弁していて、両極端にある。

 今のところ、両者の支持基盤も主張も対立している。

 とはいえ、どちらが大統領に当選しても、その後の米国社会をまとめていくためには、早晩、産軍共同体との妥協が必要になり、その支持を取り付けることにエネルギーがそがれるだろう。

 米国の民主党も共和党もどちらも帝国主義的・覇権主義的な思考を基盤としている。

 違うのは、その手法と表現、大統領の個人的資質の違いである。これは、国際政治の場に出てくる。

 とはいえ、世界の良心は、いつまでも米国の覇権主義的な傲慢姿勢を許しはしない。

 すでにそのような兆候は、世界の非核化運動、地球環境問題、朝鮮半島の平和問題など、多方面にわって表現されている。

 このような現象は、米帝国主義の力が衰退しているとも言えるが、むしろ世界の自主化勢力が立ち上がってきたことを証明していると理解することの方が正解である。

 ところで、米国の対朝鮮敵視政策の変更、若しくは、朝米平和協定を前提とした朝米対話が、やがて始まるだろうと見ている。

 とはいっても、そうしたテーマを掲げての対話が始まり、直線的に希望的観測の条件が作られるということではない。

 長年、朝米2カ国は敵対関係にあり、双方ともに相手への不信感は深く、意思疎通は錆び付いている。

 まずは、敵対関係の解消を包含した対話を、多国間でもよし、2国間でもよいとする姿勢を持ち、互いの原則論に踏みとどまるのはなく、根気よく言葉を積み上げていく努力が、双方とも必要であろう。

 今後、来年以降の米国の対朝鮮問題政策への変化のシグナルが早い時期に出てくるだろう。

 初めのシグナルが朝鮮にとって気に入らない内容のものであるかもしれないが、国際社会は必ず朝鮮側の主張を支持する。

 そこから固い氷を溶かすための、朝米対話のテーブルが用意されるだろう。

 そのような予兆はすでに、今年の始め頃から国際社会の中で出ている。


                                                                    2016年8月9日 記

「『核実験禁止』ではなく『核兵器禁止』を」

「『核実験禁止』ではなく『核兵器禁止』を」


 国際社会は、世界の非核化に向かって動いている。

 昨年12月、国連総会決議で設置された「核兵器のない世界」に向けた法的措置を話し合う国連作業部会は、第1回会合を2月に、第2回会合を5月に開いたのに続き、第3回(最終)会合を8月(5日~19日)に開催し、9月の国連総会に提出する報告書を採択する。

 報告書草案の「法的拘束力のある核兵器禁止文書の交渉を2017年の国連総会で開始する」ことを、大多数の国が支持しているからである。

 一方で、一部の国は国際的な安全保障環境などを理由に、「交渉は時期尚早だ」として、現行の枠組み(核実験全面禁止条約=CTBT)のままで、核兵器の段階的削減の「漸進的アプローチ」の方を支持している。

 つまり、核兵器の保有や米国の核の傘に依存している国と、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などが、現行のCTBTの早期発効や、米ロ軍縮交渉などを通じた漸進的な取り組みで、問題がないとしているのだ。

 CTBTは96年の国連総会で採択され、宇宙や地下などあらゆる空間での核爆発実験を禁止している。

 だが、発効には、潜在的な核開発能力を持つ44カ国(発効要件国)の批准が必要である。

 核保有国の9カ国と潜在的能力国の8カ国(エジプト、イランなど)が、未批准国である。(現在、署名183カ国、批准は164カ国、日本はいずれも調印している)

 このため、署名開始から20年を迎えるCTBTは、未だに発効されず、ペーパー条約のままで止まっている。

 また、CTBTは、臨界前核実験や特殊装置を使った新型の性能実験を禁止していないため、米国はこれらを繰り返し実施して、核保有大国の地位を維持し、また核恫喝政策を実行している。

 CTBTは米国にとっても、米国の核の傘にある国にとっても、NATO加盟国にとっても、都合よくできているのだ。

 ということはCTBTそのものに「世界の非核化」が実現できないという大きな限界がある。

 こうした限界を突き破るため、中南米や東南アジアの「非核兵器地帯」に加盟している10カ国(メキシコ、ブラジル、インドネシア、マレーシア、エクアドルなど)が、CTBTより厳格な「核兵器」禁止条約(法的措置)交渉の早期開始に向けて動き出した。

 その支持は確実に広がっている。

 そうした国際社会の動きに逆行するかのように、オバマ米大統領は核実験の全面禁止を求める決議案を、国連安全保障理事会に提案(9月)することを検討している。

 CTBTと同様の内容の「核実験禁止」である点で、新しい発想ではない。むしろ、核兵器禁止条約に向けた国際的な動きに抵抗し、「核兵器禁止」の流れを妨害しようとしているのではないか。

 オバマ氏個人の満足度と、米国内のCTBT批准問題を解決できない矛盾を、そのまま表現している。

 いまや世界は、単なる「核実験禁止」ではなく、「核兵器全面禁止」を主張していることを、米国も日本も深く自覚しなければならない。


                                                                    2016年8月8日 記

「帝国主義者の言葉は美しい!」

「帝国主義者の言葉は美しい!」

 
 オバマ米大統領は、チェコ・プラハ(09年4月)と広島(16年5月)、核兵器廃絶への決意を表明したものの、その後の言動は矛盾に満ちている。

 米国自身の核兵器削減作業を少しも進めることが出来ないばかりか、逆に、その矛盾した政策によって、世界に核兵器を拡散させ、核安保体制を定着させてしまっている。

 ロシアと10年4月に「新戦略兵器削減条約」(新START)に調印したものの、東欧諸国へのNATO軍のミサイル防衛進出によって、ロシアとの関係を悪化させ、条約は空文となったままである。

 その一方で、臨界前核実験を10年9月に実施し、それ以降も再三行い、米国自身の核兵器保有の「近代化」に力を入れているといった矛盾点を曝け出している。

 それだけではなく、核先制攻撃に言及し、朝鮮に対しては核恫喝を政策化して、毎年、軍事演習や経済制裁を実施している。

 朝鮮は自らの体制を守るために核保有を宣言し、核武装で身を固めてしまった。

 その朝鮮が、「世界の非核化」、「世界の核兵器廃絶」に向けての対話を呼び掛けても、オバマ政権は黙りを決め込んでいる。

 こうした対朝鮮政策がまさに、オバマ氏の核政策の最も大きな矛盾点となっている。

 彼が「世界の非核化」を本当に実行したいのなら、まず第1に自国内の核兵器削減に向かって動かなければいけない。

 第2には、朝鮮への敵視政策を中止し、核恫喝を直ちに止めて、朝鮮と世界の非核化に向けて協議すべきである。

 核問題に対するオバマ氏の姿勢は、帝国主義者そのものだ。「核なき世界」をと、誰にでも受け入れられる「美しい」言葉で語りかけながら、その米国内の核削減に向かっては何ほどのこともせず、敵対する国家に対しては、核兵器の使用を平気で政策化するという、破廉恥な姿勢を改めるべきだ。

 仮に、9月の国連安保理でオバマ氏(米国)の核廃絶案が提出され、それが承認されたとしても、米国の帝国主義的な独善的姿勢が改まらない限り、そのプランは米国の偽善的行為を利するだけだ。

 言うだけなら、誰にでもできるだろう。

 口舌の徒は、どの世界にいても、自らは何ほども行動せず、実行もしないで、他者に向かってだけ要求する。

 そのためにこそ、「美辞麗句」的言語を多用し、能弁に語りだす。

 それは、人々を騙すことに長けた者が使用する言語だ。

 しかも厄介なのは、人々を騙しているとは考えていないことだ。

 つまりそれは、オバマ氏のことである。

 彼はプラハや広島で、世界の核兵器廃絶への決意を表明したが、世界で唯一、核兵器を使用した国として、その責任には何ら言及せず、米国自身の核兵器削減プランは何も示さず、自国の核政策をどうするのかさえも語らず、他者に向かってだけ、「非核化」を呼びかけている。

 否、美辞麗句の言葉の裏では、今後30年間で「核の近代化」のために、1兆ドルもの巨大な予算化政策を、自らのレガシーにすると言う。

 さらに、朝鮮への「核先制攻撃」の容認、世界のいたる地域にミサイル防衛を建設して、朝鮮半島を中心とするアジア地域、世界の多くの地域を、核戦争の危機と不安に陥れている。

 言葉と行動が一致しないのは、オバマ氏の核政策のことだ。

 彼もまた、米帝国主義体制の代弁者の一人にしか過ぎなかったことを物語っており、世界を騙す道具は「世界の核兵器廃絶」という表現だ。

 「世界の核兵器廃絶」はすでに朝鮮が米国に呼びかけ、そのための朝米会談も提案している。

 朝鮮の提案には反応せず、同じ内容を安保理で呼びかけることを、欺瞞と言わずして何と言えばいいのか。

 オバマ氏よ。自らの政治人生の最後を美しく飾り、米国史にその名を残しておきたいと思うのなら、今からでも遅くはないから、朝鮮の呼びかけに応えて、朝米会談を進行させ、それを次期政権にバトンタッチするべく努力すべきだ。

 そうしてこそ、プラハと広島の言行一致につながっていく。


                                                                    2016年8月7日 記

「米帝国主義の姿をしっかりと見よ!」

「米帝国主義の姿をしっかりと見よ!」


1.
 軍産体制を中核とする米国の帝国主義政治体制は、常に敵を必要とし、その必要性に応じて敵を作り出してきた。

 冷戦後の主敵をテロ集団またはテロ支援国家とし、それまでの国家対象から集団・個人にまで広げ、恣意的に「敵」を作り出し、指定している。

 その一方で、古典的な敵概念の「国家」も対象としている。

 そのアジア地域における国家対象の主敵が朝鮮と中国である。

 米国は、朝鮮戦争後の平和協定交渉締結に今日まで応じず、朝鮮を敵国とし、朝鮮に対する敵視政策を続けることで、朝鮮半島およびアジア地域に軍事的緊張を作り出している。

 第2次世界大戦直後から朝鮮半島に直接関与し、朝鮮の南北分断の固定化、朝鮮戦争を仕掛け、以後、社会主義朝鮮の体制転換または崩壊のための各種制裁、国連を活用した圧力、核攻撃を想定した大規模軍事演習を続けている。

 オバマ政権になって以降、朝鮮に対する政治的、経済的、軍事的圧力は特に厳しくなり、国際的孤立化と戦争誘引を仕掛けている。

 朝鮮がそのような米国の「暴力」に対して、体制と人民たちを守るために核保有を宣言し、核実験とミサイル発射実験を行った。

 それに対して米国は、朝鮮が核実験やミサイル発射を行う度、国際社会への「挑戦」とか、「暴挙」、「脅威」などとするレッテルを貼り、国連安保理での制裁決議を多用している。

 朝鮮に対する「挑戦」「脅威」のレッテル貼りは、それでないと安保理での決議ができないことと、社会主義朝鮮の国際社会の「孤児」を演出するためであった。

 すべてが朝鮮の体制転換または崩壊を狙った演出であった。

 70年余、米国発信の朝鮮に対するプロパガンダ情報に晒されてきた西側の人間たちは、米国が作り上げた「朝鮮悪魔」説を信じ、それが定着してしまっている。

 だから、米国の朝鮮停戦協定違反や各種国際法違反を見抜けず、私のこの原稿内容さえ容易には信じられないだろう。

 朝鮮半島の平和と安定、朝鮮半島の南北分断、朝鮮の経済発展などを阻害している根本原因こそ、米軍の南朝鮮駐留であり、対朝鮮敵視政策であり、核恫喝政策である。

 核やミサイル問題を含む朝鮮半島危機と不安のすべては、米国の反朝鮮政策から発せられている。


2.
 米国の対中国政策、情報についても、朝鮮の場合と同じことが言える。

 米中とも経済関係では、相手を必要とするほどに抜き差しならない状態となっている。

 とはいえ、決して友好的な関係ではない。

 現在、南シナ海と東シナ海での領海・領有問題で対立している発端は、米国がアジア太平洋地域のリバランスを主張してからである。

 昨年、ワシントンでの米中首脳会談で、中国の習近平主席が、「太平洋は広く、十分に共有できる」と提案したのに対して、オバマ大統領は肯定しなかった。

 太平洋は米国の海だと考えていたからである。

 中国側は反発し、岩礁を埋め立て、9段線を実行した。

 それを見越した米国は、フィリピン政権を立てて、国際仲裁裁判所での領海裁判を起こした。

 その判決内容があらかじめ分かっていての、国際裁判である。

 では米国は何を狙ったのだろうか。

 それは、中国が国際法違反をしているとのキャンペーンを、仲裁裁判所の判決を利用して国際的に広め、中国を国際的に孤立させ、太平洋地域での独占権、有利な位置を築くためであった。

 同時期、朝鮮のミサイル発射実験を理由に、南朝鮮への地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛ミサイル(サード)」配備を決定したことと、在韓米軍の主要部隊をソウルからピョンテク近郊に移動させたことも、すべてが対中国戦略のためであった。

 米中の南シナ海・東シナ海紛争は、米国が仕掛けたものであった。

 さらに米国は、ロシアとクリミア問題で対立している。

 クリミア問題について、米国は、ロシアが一方的に自国領土に併合しようとしたからだとのキャンペーンを展開している。

 ロシアがクリミアに親ロシア政権を樹立しようとしたのは、米国が推し進めているNATO軍の東欧進出、クリミアへのミサイル防衛建設推進化を阻止するためであった。

 米国はそのことを隠して、ロシアのクリミア政権への関与だけを喧伝している。

 以上、中国とロシアとの事例でもわかるように、米国の覇権主義は、利用価値がある分野では接近しつつも、自国が不利な分野では対立構図を作り上げ、国際社会(西側)で、プロパガンダ情報を流している。

 ところで、朝鮮の場合はもっと酷い。71年間、敵視政策を続け、社会主義朝鮮を崩壊させようとしているのだから、様々に作り上げる工作や朝鮮情報は、朝鮮の真実を語っていない。

 今後は、これらの点に注視して米国発信の対朝鮮情報を読んでもらいたい。

                                                                    2016年8月6日 記

「8月6日を『世界非核化の日に』」

「8月6日を『世界非核化の日に』」

 
 8月6日。

 米軍によって、広島に原爆が落とされた日。

 その71回目の「原爆の日」、広島市中区の平和記念公園で、恒例通り午前8時から平和記念式典が開かれた。式典に91カ国と欧州連合(EU)の大使らが参列したという事実は、「核なき世界平和」への思いを、世界が強く願っていることを、広島の地で改めて示していたと言える。

 ところが、安倍晋三首相のあいさつは、5月のオバマ米大統領の演説を下敷きにしつつ、「唯一の戦争被爆国として、非核三原則を堅持しつつ、核兵器不拡散条約(NPT)体制の維持及び強化の重要性を訴えてまいります」と、従来と同様、米国による核の傘体制の堅持を強調していた。

 これでは、「核兵器のない」平和な世界実現と対立している。

 核廃絶に向けた主導的な役割を期待する被爆者や日本国民、さらには核なき平和(核兵器の全廃)を求める世界各国、人民たちが発する内容とも異なっている。

 「平和」を求める人々を裏切っている。

 安倍政権は、米国の核の傘体制にあることと、日米安保体制下にあることを基調としている。

 だから、「核実験の禁止」止まりの主張を繰り返しており、「核兵器廃絶」という主張はできない。

 むしろ、国連などで、「核兵器廃絶」勢力と対立する立場をとっている。

 その裏には、核保有という意思が潜んでいるとも言われている。

 それを代弁したのが、女性2人目の防衛相となった稲田朋美氏である。

 彼女は5日の記者会見で、日本の核兵器保有について、「憲法上、必要最小限度がどのような兵器であるかということに限度がない」と発言した。

 これは、従来の政府見解の「憲法9条で禁止しているわけではない」とする立場に沿った説明である。

 しかし、彼女は、「長期的には、日本独自の核保有を単なる議論や精神論ではなく、国家戦略として検討すべき」(2011年3月号の雑誌「正論」の対談)との発言の方が本音であろう。

 こうした考え方は、従来から保守派が主張している。

 稲田氏の主張は、安倍政権の核安保政策を代弁していて、各段のものではないとも言える。

 そうは言っても、広島と長崎で被爆した日本こそ、世界に向かって「核兵器廃絶」を主張していかねばならないポジションにいる。

 だから、世界で初めて原爆が使用された8月6日を、「世界非核化の日」に設定するための運動に、先頭に立つべきである。

 8月6日が「原爆の日」というのは、余りにも消極的で、どこか、「原罪」の米国に遠慮した表現のようだ。

 非核化を広島から、日本に発信をし、核兵器のない世界を呼び掛け、この8月6日を「世界非核化の日」として、世界に強いメッセージを発信していく日にすべきである。

                                                                    2016年8月7日 記
プロフィール

takasi1936

Author:takasi1936
愛媛現代朝鮮問題研究所のブログです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR