「朝鮮労働党第7回大会 ―責任ある核保有国に―」
「朝鮮労働党第7回大会 ―責任ある核保有国に―」
1.
朝鮮労働党は5月6日から4日間、党第7回大会を開催した。
金正恩第1書記(党委員長に選出)は課題総括で「水素爆弾の壮快な爆音によって」、「70日間戦闘の大勝利を決定づけ」たことにより、党第7回大会を勝利者の大会、栄光の大会として迎えることができたと宣誓した。
総括期間、「朝鮮労働党は類例なく厳しい環境の中で、革命の各段階でチュチェ路線と政策を打ち出し、人民に依拠して革命と建設を力強く前進させることによって」、「一心団結の政治・思想強国・不敗の軍事強国」を打ち立てたことを誇らかに強調した。
さらに、活動報告では、朝鮮革命をより高い段階に前進させ、社会主義強国を建設するために、恒久的な「経済と核武力建設の並進路線」を進めていくことも明確にした。
その中期経済計画を、2016年から2020年までの「国家経済発展5カ年戦略」として提示。
「われわれ式の経済管理方法」と「経済開発区」を公式化した。
「経済管理方法」とは、国家の統一的指導のもと、経済現場の自律性、責任性を認める社会主義企業責任管理制度のことである。
「経済開発区」とは、すでに2013年以来21か所に設置されている「開発区」のことで、それらをそれぞれの特性に応じて、活性化(投資)させようとしている。
2.
米国に対しては、「停戦協定の平和協定への転換」と「在韓米軍の撤退」など、従来からの方針を改めて主張した。
朝鮮半島の安全と安定において、朝米関係の改善こそが基本だからである。
一方、南朝鮮に対しては、「祖国統一の3大憲章」(自主、平和、民族大団結の72年の「7・4南北共同声明」、80年の「高麗民主連邦共和国創立方案」、93年の「全民族大団結10大綱領」)と、「6・15共同宣言」、「10・4宣言」は、民族共通の合意事項でもあり、それを一貫して履行していくことが必要だとした。
南北関係を改善し、祖国統一の活路を開くためには、互いの誤解と不信を解消し、「まず、北南軍事当局間の対話と交渉が必要」だと、先に軍事当局会談の開催を提案した。
日本に対しては、「日朝平壌宣言」または、「ストックホルム宣言」の履行を求めることなく、「朝鮮半島に対する再侵略野望を捨てて、わが民族に働いた過去の罪悪に対して反省して謝罪し、平和的に解決されるようにする上で、肯定的な役割を果たさなければならない」と、短くシンプルな、原則的課題を提示した。
その意味は、安倍晋三政権が進めている戦争関連法案、憲法改正姿勢、自衛隊の朝鮮半島上陸(侵攻)準備などに対して、朝鮮人民の立場から反対し、警告を鳴らすメッセージを送り、反省を促すということである。
3.
金正恩委員長は、「朝鮮労働党と共和国政府」は、情勢がいかに変わろうとも、周辺関係がいかに変化しても、「自主、先軍、社会主義」の針路に沿ってまっすぐに進むことを明らかにした。
その上で、「責任ある核保有国」として、敵対勢力が、核でわれわれの自主権を侵害しない限り、「すでに明らかにしたとおり、先に核兵器は使用しない」し、「国際社会に担った核不拡散義務を誠実に履行」し、「世界の非核化を実現するために努力する」ことを約束した。
そして、「わが党と共和国政府は、米国によって強要されている核戦争の危険を、強力で威力ある核抑止力に依拠して根源的に終息させ、地域と世界の平和を守り抜いていくための闘争を力強く展開していく」との立場も、改めて発信している。
「すでに明らかにしたとおり」とは、2013年に制定した憲法条文のことである。
その「核保有法」(自衛的核保有国の地位を一層強固にすることについて)の第5条は、「敵対的な核保有国と野合して、共和国に反対する侵略や攻撃行為に加担しない限り、非核国家に対して核兵器を使ったり、核兵器で威嚇することはない」とはっきり明示している。
今回、党規約でも、「核兵器先制的不使用」の方針を、再確認したことになり、これが朝鮮のゆるぎない姿勢とした。
逆にオバマ米政権は、2010年の「核態勢見直し」政策で、「核兵器の先制攻撃」を基本に、朝鮮を脅している。
それと比較すれば、朝米のどちらが「責任ある核保有国」なのか、はっきりわかるだろう。
朝鮮は、核を他国や団体に移転しないとするNPTの義務もしっかりと守ることを世界に宣言した。それが「責任ある核保有国」の意味であると、党大会で明らかにした意義は大きい。
2016年5月12日 記
1.
朝鮮労働党は5月6日から4日間、党第7回大会を開催した。
金正恩第1書記(党委員長に選出)は課題総括で「水素爆弾の壮快な爆音によって」、「70日間戦闘の大勝利を決定づけ」たことにより、党第7回大会を勝利者の大会、栄光の大会として迎えることができたと宣誓した。
総括期間、「朝鮮労働党は類例なく厳しい環境の中で、革命の各段階でチュチェ路線と政策を打ち出し、人民に依拠して革命と建設を力強く前進させることによって」、「一心団結の政治・思想強国・不敗の軍事強国」を打ち立てたことを誇らかに強調した。
さらに、活動報告では、朝鮮革命をより高い段階に前進させ、社会主義強国を建設するために、恒久的な「経済と核武力建設の並進路線」を進めていくことも明確にした。
その中期経済計画を、2016年から2020年までの「国家経済発展5カ年戦略」として提示。
「われわれ式の経済管理方法」と「経済開発区」を公式化した。
「経済管理方法」とは、国家の統一的指導のもと、経済現場の自律性、責任性を認める社会主義企業責任管理制度のことである。
「経済開発区」とは、すでに2013年以来21か所に設置されている「開発区」のことで、それらをそれぞれの特性に応じて、活性化(投資)させようとしている。
2.
米国に対しては、「停戦協定の平和協定への転換」と「在韓米軍の撤退」など、従来からの方針を改めて主張した。
朝鮮半島の安全と安定において、朝米関係の改善こそが基本だからである。
一方、南朝鮮に対しては、「祖国統一の3大憲章」(自主、平和、民族大団結の72年の「7・4南北共同声明」、80年の「高麗民主連邦共和国創立方案」、93年の「全民族大団結10大綱領」)と、「6・15共同宣言」、「10・4宣言」は、民族共通の合意事項でもあり、それを一貫して履行していくことが必要だとした。
南北関係を改善し、祖国統一の活路を開くためには、互いの誤解と不信を解消し、「まず、北南軍事当局間の対話と交渉が必要」だと、先に軍事当局会談の開催を提案した。
日本に対しては、「日朝平壌宣言」または、「ストックホルム宣言」の履行を求めることなく、「朝鮮半島に対する再侵略野望を捨てて、わが民族に働いた過去の罪悪に対して反省して謝罪し、平和的に解決されるようにする上で、肯定的な役割を果たさなければならない」と、短くシンプルな、原則的課題を提示した。
その意味は、安倍晋三政権が進めている戦争関連法案、憲法改正姿勢、自衛隊の朝鮮半島上陸(侵攻)準備などに対して、朝鮮人民の立場から反対し、警告を鳴らすメッセージを送り、反省を促すということである。
3.
金正恩委員長は、「朝鮮労働党と共和国政府」は、情勢がいかに変わろうとも、周辺関係がいかに変化しても、「自主、先軍、社会主義」の針路に沿ってまっすぐに進むことを明らかにした。
その上で、「責任ある核保有国」として、敵対勢力が、核でわれわれの自主権を侵害しない限り、「すでに明らかにしたとおり、先に核兵器は使用しない」し、「国際社会に担った核不拡散義務を誠実に履行」し、「世界の非核化を実現するために努力する」ことを約束した。
そして、「わが党と共和国政府は、米国によって強要されている核戦争の危険を、強力で威力ある核抑止力に依拠して根源的に終息させ、地域と世界の平和を守り抜いていくための闘争を力強く展開していく」との立場も、改めて発信している。
「すでに明らかにしたとおり」とは、2013年に制定した憲法条文のことである。
その「核保有法」(自衛的核保有国の地位を一層強固にすることについて)の第5条は、「敵対的な核保有国と野合して、共和国に反対する侵略や攻撃行為に加担しない限り、非核国家に対して核兵器を使ったり、核兵器で威嚇することはない」とはっきり明示している。
今回、党規約でも、「核兵器先制的不使用」の方針を、再確認したことになり、これが朝鮮のゆるぎない姿勢とした。
逆にオバマ米政権は、2010年の「核態勢見直し」政策で、「核兵器の先制攻撃」を基本に、朝鮮を脅している。
それと比較すれば、朝米のどちらが「責任ある核保有国」なのか、はっきりわかるだろう。
朝鮮は、核を他国や団体に移転しないとするNPTの義務もしっかりと守ることを世界に宣言した。それが「責任ある核保有国」の意味であると、党大会で明らかにした意義は大きい。
2016年5月12日 記
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