「プーチン発言の波紋」
「プーチン発言の波紋」
ロシアのプーチン大統領が唐突に、米欧に対して核兵器で対抗する用意があったとの発言に、米欧以外でもロシアへの反発が広がっている。
ロシアがウクライナのクリミア半島の併合を宣言してから1年(3月18日)を記念するロシア国営テレビの番組で、司会者が唐突に「核兵器を臨戦態勢に置く可能性はあったか」と、プーチン氏に質問した。
プーチン氏は「われわれにはその準備ができていた」と明言した。
しかし、「核兵器」という言葉は避け、「そうならないように努めた」との発言も繰り返していたことを伝えている。
だが、世界にプーチン氏の「核使用発言」は広がり、ロシアは国際社会に挑戦していると一気に評価を下げた。
ロシア自身が規定している核兵器使用の条件は、①大量破壊兵器による侵略を受けた場合、②通常兵器による侵略を受け、国家の存立が脅かされた場合―としている。
プーチン氏が核兵器を実際に使用するつもりであったのかどうか、テレビ番組での発言からは明確ではないものの、一方でロシアの軍事ドクトリンに該当していたとも思えない。
ウクライナはソ連崩壊時の1991年当時、数千発の核弾頭を持っていた。
94年にNPTに加盟し、核放棄を決定して、96年までに核弾頭を処分したことになっている。
同時に94年12月、ロシアと米欧とが、「ブダペスト覚書」に署名して、ウクライナの独立や領土保全を保証し、独立した。
ウクライナで昨年2月下旬、親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊(政変)し、親米欧派の政権が誕生した際、プーチン氏はロシアの核戦力に戦争準備を指示していたことを、テレビで明らかにした。
プーチン氏は、クリミアという「ロシア人が住む歴史的領土が危険にさらされているのを放っておくことはできなかった」と強調。
「最も好ましくない事態の進展」にも対応する用意があったと述べ、クリミア編入に際してはロシア軍2万人以上を動員し、大量の地対空ミサイルなどで半島を要塞化したことも明らかにした。(これまでは否定していた)
同時に、ウクライナの政変を「米国が操っていた」と強調している。
政変前にウクライナの民族主義者の軍事訓練などがポーランドやリトアニアで行われていたことを指摘。
クリミア半島で、ロシアへの編入の是非を問う住民投票を昨年3月16日に行い、賛成票が95%を越えたことで、ロシアが18日にクリミア半島の併合を宣言した。
その結果として、米欧のクリミア返還要求は、ロシアへの侵略と同等であることを、プーチン氏はテレビを通じて、改めて表現したのかもしれない。
しかし核使用の可能性があったプーチン発言は、国際社会が求めている核軍縮、核不拡散、核削減、核絶対不使用、核完全廃棄の流れに全く反している。
そればかりか、核大国としての国際社会への責任感にも大いに欠けている。
同じことは、米国に対しても言える。(朝鮮への核脅迫)
4月に核不拡散条約(NPT)再検討会議が控えてはいるが、核大国の米ロ両国は、核使用の誘惑に負けずに、核軍縮交渉や非核地帯構想などに真剣に取り組むべきだ。
2015年3月20日 記
ロシアのプーチン大統領が唐突に、米欧に対して核兵器で対抗する用意があったとの発言に、米欧以外でもロシアへの反発が広がっている。
ロシアがウクライナのクリミア半島の併合を宣言してから1年(3月18日)を記念するロシア国営テレビの番組で、司会者が唐突に「核兵器を臨戦態勢に置く可能性はあったか」と、プーチン氏に質問した。
プーチン氏は「われわれにはその準備ができていた」と明言した。
しかし、「核兵器」という言葉は避け、「そうならないように努めた」との発言も繰り返していたことを伝えている。
だが、世界にプーチン氏の「核使用発言」は広がり、ロシアは国際社会に挑戦していると一気に評価を下げた。
ロシア自身が規定している核兵器使用の条件は、①大量破壊兵器による侵略を受けた場合、②通常兵器による侵略を受け、国家の存立が脅かされた場合―としている。
プーチン氏が核兵器を実際に使用するつもりであったのかどうか、テレビ番組での発言からは明確ではないものの、一方でロシアの軍事ドクトリンに該当していたとも思えない。
ウクライナはソ連崩壊時の1991年当時、数千発の核弾頭を持っていた。
94年にNPTに加盟し、核放棄を決定して、96年までに核弾頭を処分したことになっている。
同時に94年12月、ロシアと米欧とが、「ブダペスト覚書」に署名して、ウクライナの独立や領土保全を保証し、独立した。
ウクライナで昨年2月下旬、親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊(政変)し、親米欧派の政権が誕生した際、プーチン氏はロシアの核戦力に戦争準備を指示していたことを、テレビで明らかにした。
プーチン氏は、クリミアという「ロシア人が住む歴史的領土が危険にさらされているのを放っておくことはできなかった」と強調。
「最も好ましくない事態の進展」にも対応する用意があったと述べ、クリミア編入に際してはロシア軍2万人以上を動員し、大量の地対空ミサイルなどで半島を要塞化したことも明らかにした。(これまでは否定していた)
同時に、ウクライナの政変を「米国が操っていた」と強調している。
政変前にウクライナの民族主義者の軍事訓練などがポーランドやリトアニアで行われていたことを指摘。
クリミア半島で、ロシアへの編入の是非を問う住民投票を昨年3月16日に行い、賛成票が95%を越えたことで、ロシアが18日にクリミア半島の併合を宣言した。
その結果として、米欧のクリミア返還要求は、ロシアへの侵略と同等であることを、プーチン氏はテレビを通じて、改めて表現したのかもしれない。
しかし核使用の可能性があったプーチン発言は、国際社会が求めている核軍縮、核不拡散、核削減、核絶対不使用、核完全廃棄の流れに全く反している。
そればかりか、核大国としての国際社会への責任感にも大いに欠けている。
同じことは、米国に対しても言える。(朝鮮への核脅迫)
4月に核不拡散条約(NPT)再検討会議が控えてはいるが、核大国の米ロ両国は、核使用の誘惑に負けずに、核軍縮交渉や非核地帯構想などに真剣に取り組むべきだ。
2015年3月20日 記
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