「イスラム国からのメッセージ」
「イスラム国からのメッセージ」
1.
衝撃的なニュースだった。
イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーと思われる男性が、日本人2人(フリージャーナリストの後藤健二氏と会社経営者の湯川遥菜氏)をインターネット上に公開し、72時間(菅官房長官によれば23日午後2時50分頃)以内に2億ドル(約236億円)を払わなければ、拘束している2人を殺害すると、日本政府を脅した20日のインターネット映像のことである。
中東歴訪中であった安倍晋三首相は同日、訪問地のイスラエル・エルサレムで記者会見し、「人命を盾にとって脅迫することは許し難い行為で、強い憤りを覚える」と非難すると共に、「2人の日本人に危害を加えないよう、そしてただちに解放するよう強く要求する」、「今後も国際社会と連携し、地域の平和と安定のために一層貢献していく。この方針を変えることはない」と、強調した。
安倍首相は17日に、「イスラム国」対策として、無償資金協力の2億ドルの供出を表明していた。
同時に、首相は「避難民が命をつなぐための支援だ。必要な医療、食料、このサービスをしっかり提供していく」と、今後とも非軍事分野において積極支援をしていくとの考え方を示した。
日本が中東周辺国に拠出を約束した2億ドルは、「イスラム国」から逃れた難民、避難民たちが、周辺国の難民キャンプで暮らすための支援金だとしている。
だがこの拠出金、「イスラム国」側から考えると、「自ら進んで十字軍(中世欧州のキリスト教徒による対イスラム遠征軍のことで、今日の対『イスラム国』戦争に参加するという意味)への参加を志願した」のだと解釈できる。
身代金2億ドルは、日本政府が拠出するとした2億ドルだ。
一般に、イスラム世界における欧州は、十字軍による対イスラム遠征軍であり、植民地支配の当事者であった。
また米国は、パレスチナを抑圧しているイスラエルの支援者で、欧州やアラブ諸国などとの有志連合による軍事作戦の主導者だと映っている。
日本が「イスラム国」からの避難民を支援することは、欧米の有志連合が避難民を作り出している現実を無視していると、批判した。
しかも安倍首相は、彼らが忌避するパレスチナの地に立っていた時に、インターネット映像を公開した意味をいま少し考えるべきだろう。
拠出する2億ドルが、真に難民支援のための非軍事援助だと強調するのであれば、「イスラム国」周辺の国々に直接拠出するのではなく、なぜ、国連機関を通じて拠出しなかったのであろうか。
2人の無事救出を願っている。
2.
2億ドル拠出表明は、安倍政権なりの政治計算があってのことだろう。
そのことを誰もが人道的支援だと言い、犯人側は「誤解」していると言う。
「イスラム国」側は安倍政権の真意を見抜き、人道という名の軍事的支援であることを理解し、決して誤解などしていないだろう。
「イスラム国」内に居住している人々を、「難民」名目での脱出を誘引する条件を、日本が提供したのだと、「イスラム国」側は理解していると考えることができる。
誘引・誘拐、殺人は、誰がどのような条件下で行おうとも、それは暴力であって、米国中心の有志連合の空爆、一般住民を殺傷している行為は暴力ではないとする識者がいる。
テレビ画面に登場する中東専門識者たちの一部は、「イスラム国」を「ならず者」「暴力集団」だと規定して、現状を解説している。
視点そのものが米国意識のため、「イスラム国」の攻撃、戦争だけを悪だと理由付けし、二重基準観を解説し、米国の帝国主義的所業を擁護している。
こうした現象は、朝鮮半島問題を解説する時も、同じであったことを思い出した。
2015年1月22日 記
1.
衝撃的なニュースだった。
イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーと思われる男性が、日本人2人(フリージャーナリストの後藤健二氏と会社経営者の湯川遥菜氏)をインターネット上に公開し、72時間(菅官房長官によれば23日午後2時50分頃)以内に2億ドル(約236億円)を払わなければ、拘束している2人を殺害すると、日本政府を脅した20日のインターネット映像のことである。
中東歴訪中であった安倍晋三首相は同日、訪問地のイスラエル・エルサレムで記者会見し、「人命を盾にとって脅迫することは許し難い行為で、強い憤りを覚える」と非難すると共に、「2人の日本人に危害を加えないよう、そしてただちに解放するよう強く要求する」、「今後も国際社会と連携し、地域の平和と安定のために一層貢献していく。この方針を変えることはない」と、強調した。
安倍首相は17日に、「イスラム国」対策として、無償資金協力の2億ドルの供出を表明していた。
同時に、首相は「避難民が命をつなぐための支援だ。必要な医療、食料、このサービスをしっかり提供していく」と、今後とも非軍事分野において積極支援をしていくとの考え方を示した。
日本が中東周辺国に拠出を約束した2億ドルは、「イスラム国」から逃れた難民、避難民たちが、周辺国の難民キャンプで暮らすための支援金だとしている。
だがこの拠出金、「イスラム国」側から考えると、「自ら進んで十字軍(中世欧州のキリスト教徒による対イスラム遠征軍のことで、今日の対『イスラム国』戦争に参加するという意味)への参加を志願した」のだと解釈できる。
身代金2億ドルは、日本政府が拠出するとした2億ドルだ。
一般に、イスラム世界における欧州は、十字軍による対イスラム遠征軍であり、植民地支配の当事者であった。
また米国は、パレスチナを抑圧しているイスラエルの支援者で、欧州やアラブ諸国などとの有志連合による軍事作戦の主導者だと映っている。
日本が「イスラム国」からの避難民を支援することは、欧米の有志連合が避難民を作り出している現実を無視していると、批判した。
しかも安倍首相は、彼らが忌避するパレスチナの地に立っていた時に、インターネット映像を公開した意味をいま少し考えるべきだろう。
拠出する2億ドルが、真に難民支援のための非軍事援助だと強調するのであれば、「イスラム国」周辺の国々に直接拠出するのではなく、なぜ、国連機関を通じて拠出しなかったのであろうか。
2人の無事救出を願っている。
2.
2億ドル拠出表明は、安倍政権なりの政治計算があってのことだろう。
そのことを誰もが人道的支援だと言い、犯人側は「誤解」していると言う。
「イスラム国」側は安倍政権の真意を見抜き、人道という名の軍事的支援であることを理解し、決して誤解などしていないだろう。
「イスラム国」内に居住している人々を、「難民」名目での脱出を誘引する条件を、日本が提供したのだと、「イスラム国」側は理解していると考えることができる。
誘引・誘拐、殺人は、誰がどのような条件下で行おうとも、それは暴力であって、米国中心の有志連合の空爆、一般住民を殺傷している行為は暴力ではないとする識者がいる。
テレビ画面に登場する中東専門識者たちの一部は、「イスラム国」を「ならず者」「暴力集団」だと規定して、現状を解説している。
視点そのものが米国意識のため、「イスラム国」の攻撃、戦争だけを悪だと理由付けし、二重基準観を解説し、米国の帝国主義的所業を擁護している。
こうした現象は、朝鮮半島問題を解説する時も、同じであったことを思い出した。
2015年1月22日 記
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