「朝米高官協議を呼び掛ける」
「朝米高官協議を呼び掛ける」
名田隆司
朝鮮国防委員会報道官は、16日、「重大談話」を発表した。
重大談話では米国に、軍事緊張の緩和、停戦協定の平和協定への転換、朝鮮半島の非核化を含む「核なき世界」の実現、双方が議論を望むさまざまな問題――についての、朝米高官協議を提案した。
会談の日時、場所などについては、米側の都合の良いように決めればよいとし、無条件での対話再開を要求した。
オバマ米政権は、「(北朝鮮の)非核化に向けた具体的行動」を対話条件にしているから、朝鮮からの対話要請には素直に応じない構えを崩さないだろう。
しかも日米韓3カ国外交当局者会議が19日、ワシントンの国務省で予定されているから、そこでの意見交換を経たのち、朝鮮に「非核化」を前提とした行動要求との、米国の立場を表明する可能性がある。
さて、ここで真剣に考えなければならない問題は、朝鮮半島の危機の現実は何か、ということである。
世界は、そのことについて論じてきたはずだ。
その危機の根源こそは、朝鮮戦争停戦協定体制下の朝鮮半島情勢であった。
だから今回の、朝鮮国防委員会報道官の「重大談話」も、米国と行う協議の第一に、(朝鮮半島の)軍事的緊張の緩和、停戦協定の平和協定への転換を挙げている。
朝鮮の主張は何も、朝鮮の政治安定だけのものではなく、また朝鮮半島の平和安定を求めるだけのものではなく、それは、冷戦体制が朝鮮半島で停っている現実を終結させるとの、全世界共通のテーマであったのだ。
朝鮮半島の冷戦体制、停戦協定体制を維持したい米国は、朝鮮半島の危機の根源の全てを、朝鮮側に求めてきた。
その上で、朝鮮半島の中心議題は、北朝鮮の核政策放棄にあるとの喧伝を続けて、問題外しを行ってきた。
だが、米国は、管々しい理屈を言う前に、朝米高官協議のテーブルに座るべきだ。
米国史観しか持ち合わせない人々の意識には、「朝鮮半島の非核化」ではなくて、「北朝鮮の非核化」表現だけが、問題のようにして「問題化」しているのだろう。
2013年6月17日 記
名田隆司
朝鮮国防委員会報道官は、16日、「重大談話」を発表した。
重大談話では米国に、軍事緊張の緩和、停戦協定の平和協定への転換、朝鮮半島の非核化を含む「核なき世界」の実現、双方が議論を望むさまざまな問題――についての、朝米高官協議を提案した。
会談の日時、場所などについては、米側の都合の良いように決めればよいとし、無条件での対話再開を要求した。
オバマ米政権は、「(北朝鮮の)非核化に向けた具体的行動」を対話条件にしているから、朝鮮からの対話要請には素直に応じない構えを崩さないだろう。
しかも日米韓3カ国外交当局者会議が19日、ワシントンの国務省で予定されているから、そこでの意見交換を経たのち、朝鮮に「非核化」を前提とした行動要求との、米国の立場を表明する可能性がある。
さて、ここで真剣に考えなければならない問題は、朝鮮半島の危機の現実は何か、ということである。
世界は、そのことについて論じてきたはずだ。
その危機の根源こそは、朝鮮戦争停戦協定体制下の朝鮮半島情勢であった。
だから今回の、朝鮮国防委員会報道官の「重大談話」も、米国と行う協議の第一に、(朝鮮半島の)軍事的緊張の緩和、停戦協定の平和協定への転換を挙げている。
朝鮮の主張は何も、朝鮮の政治安定だけのものではなく、また朝鮮半島の平和安定を求めるだけのものではなく、それは、冷戦体制が朝鮮半島で停っている現実を終結させるとの、全世界共通のテーマであったのだ。
朝鮮半島の冷戦体制、停戦協定体制を維持したい米国は、朝鮮半島の危機の根源の全てを、朝鮮側に求めてきた。
その上で、朝鮮半島の中心議題は、北朝鮮の核政策放棄にあるとの喧伝を続けて、問題外しを行ってきた。
だが、米国は、管々しい理屈を言う前に、朝米高官協議のテーブルに座るべきだ。
米国史観しか持ち合わせない人々の意識には、「朝鮮半島の非核化」ではなくて、「北朝鮮の非核化」表現だけが、問題のようにして「問題化」しているのだろう。
2013年6月17日 記
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